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そうとは知らず、フィッチーは一生懸命に本を読んで、筆の作り方を覚えていきました。
木を削り軸を作って、美しい毛を丁寧にそろえて筆先を作り、軸と筆先を金具でくっつけます。
そしてついに、フィッチーは筆屋さんになりました。
そんなある日のこと、フィッチーがいつものように木を削って筆を作っていると、王妃様と王子様が、尋ねてきました。
フィッチーが作れる筆はたったの3種類です。
「まあ、いいわ。その方が簡単に済むものね。何しろ、ここのお店で、123件目なのだから。もう駄目なのは分かっているの。」
そう言うと、王妃様は3本の筆を次々に王子に渡そうとしました。しかしどの筆も嫌な顔をして今にも泣き出しそうです。
「やっぱり駄目だったわね・・・さあ、もう帰りましょう。」
とそのとき、王子が何かを握っているのに気づきました。
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