「大雑把度」、「気まぐれ度」、「塗りと輪郭の区別」について述べます。
特に気まぐれ度はこれまで述べたほとんど全てのパラメータに付随するものです。
★大雑把度
塗りの時のみ、このパラメータが使われる。
前回(第3回)のえそらの科学で、絵師は「一つの色を用いて、一つの領域を描画する」ことを述べた。
この「領域」を抽出する際に、どの程度大雑把に領域を抽出するかを表す。
値が大きいほど、大雑把に抽出し、値が小さいほど几帳面に抽出する。
領域の抽出は、基本的に明るさを基準にして抽出する。
例えば、ユーザがキャンバスのある点をクリックしたとする。
すると、その点の明るさ(輝度値)Yを抽出する。
そして、その点の周囲を検索し(Y〜Y+E)の範囲にある輝度を持つ点を集めて、一つの領域にする。
このとき、大雑把な絵師だと、Eの値が大きく、几帳面な絵師だと、Eの値が小さいことになる。
★各パラメータの分散値(気まぐれ度)
絵師のほとんどパラメータには、「平均値」と「分散値(気まぐれ度)」の2種類の値がペアになっている。
今回「えそらの科学」で述べてきたパラメータの中で、平均値、分散値の区別が無いものは、「筆の形」と、上述の「大雑把度」だけである。
それ以外のパラメータには、必ず平均値と分散値がペアになっている。
平均値は、文字通り平均の値。つまり、無限に試行した場合、大体このぐらいの値になるよと言うもの。これまで「えそらの科学」述べてきたパラメータの値はこの「平均値」について述べている。
分散値は、ばらつきを示す。ホームページなどで「気まぐれ度」とも呼んでいる。
同じ平均値でもばらつきが異なることはある。
例えば、さいころを6回振る。
Aの出方 : 3が6回連続で出た!>>平均値は3
Bの出方 : 3,5,2,4,1,3の順で出た(順番はどうでもいいけど)>>平均値は3(求め方:(3+5+2+4+1+3)/6)
この場合、平均値は両者とも3であるが、出方のばらつきが違う。Bの出方の方がばらついている。
このばらつきを表すのが分散値である。
分散値が大きいほど、ばらつきが大きく、分散値が小さいほど、ばらつきは小さい。
例えば「筆の密度」のパラメータについても「平均値」と「分散値」がある。
「筆の密度」において、同じ平均値でも、
分散値が大きい場合 → 描画する領域が変わると、密度もいろいろ変えながら塗る。
分散値が小さい場合 → 描画する領域が変わっても大体同じ(平均値くらいの)密度で塗る。
のようになる。
もう一つ例をあげると、
「インターバル」で、同じ平均値でも
分散が大きい場合 → 1ラインごとの間隔を大きく開けたり、小さく狭めたりする。
分散が小さい場合 → 1ラインごとの間隔はほぼ一定の間隔で描画する。
のようになる。
★塗りと輪郭描画
「絵師のえそらごと」では、塗りと輪郭描画が区別されている。
塗りのパラメータにおいて、筆の形、サイズ、輝度、色相、インターバル ・・・など(分散値も含まれる)
輪郭のパラメータにおいて、筆の形、サイズ、輝度、色相、インターバル ・・・など(分散値も含まれる)
というように、塗りと輪郭とで別にパラメータが用意されている。
なので、塗りで明るい描画が好きな絵師でも、輪郭では暗い描画が好きと言う場合もありうる。
また、絵師には、塗り好きと、輪郭好きがいる。
これはパラメータによって決定されていて、塗りの確率を0〜100%の範囲で1%単位で絵師のパラメータに記録されている。