絵師のえそらごと・わーるど
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フィッチーの「大発見しちゃったんだぞ」

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一方、街一有名な筆職人は、他の筆職人に負けじと筆の木をもっともっと大きく育てるために、毎日毎日水をたくさん与えました。

木はどんどん大きくなり、床から根っこが突き出し、木のてっぺんは家の屋根を突き破ってしまいました。

それでも筆職人は、王子様が喜ぶような変わった筆を探し続けました。

「あの王子が気に入るような筆を探し出せば、一躍、世界一だ!今じゃ、どこもかしこも筆の木を栽培していやがるからなー。一番大きな木を作ったものが勝つに違いないぞ!」

筆職人の木は、思惑通り、街で一番大きな木に成長しました。
ありとあらゆる種類の筆が実っています。

ところがある日、街に嵐がやって来ました。
街中に雨が激しく降り注ぎ、雷が鳴り響きます。

ピカッ バーーーーーン!!

街で一番大きな筆の木は、雷でまっくろこげ。

筆職人の筆の木にはもう筆が実らなくなってしまいました。

それからというもの、筆の木を栽培する筆屋さんは少なくなり、みんな一本一本心を込めて作るようになりました。

そして、フィッチーは立派な筆師になって、新しいお店を開きましたとさ・・・。

おわり。

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